あんぽんたんblog

忘れたくないことはいつか忘れてしまうのでメモしてから安心して忘れる。

二階堂和美 / 脈拍

また おとしましたよ

また おとしましたよ

曲はもちろんのこと、どこの近代作家が書いたのかと思うような古風な詩がまたいい。端的な言葉を抑えながら、ありありと情景を浮かび上がらせるあたり詩人だなあと思わされる。この可憐さは昭和を通り越して明治・大正まで遡らないと出会えなさそうだ。頬を紅く染めて、揃えた前髪の下にある黒目がちな瞳がもの言わずだれかを追う。いたいけに澄ましてみせる様は儚く、鼓動をなぞるように入るピアノの音色がまた切ない。あれ、これは小梅ちゃんの歌かな。