あんぽんたんblog

忘れたくないことはいつか忘れてしまうのでメモしてから安心して忘れる。

Alt-J (∆) / Taro

Awesome Wave

Awesome Wave

浅いところをくすぐる音楽が好きなんだけれど、それは深いところを鷲づかみにする音楽があってこそだなあと感じる。そういう音楽はだいたい現実と直面しているものが多く、安易に逃避させてはくれない。どうしても自らが抱えている問題を思い起こさせてくる。でも結局それを片づけないと逃避的な音楽を娯楽としては楽しめない。不安をスパイスになんていうのは他人事だから言えること。感傷の風景を眺めてそこに溺れていたいと思う気持ちは、ある意味では贅沢というか余裕がないと生まれないもののように感じる。あくまで嗜好品程度の距離感で楽しむのが健全なように思う。それを超えて依存してしまうと信号の色が変わってしまう気がする。


Alt-J (∆) - Taro

D'Angelo / Untitled (How Does It Feel)

Voodoo

Voodoo

微妙なニュアンスを表現することに定評のある日本語で言い当てられない感情はあるんだろうか。言葉が不自由な自分としてはソウル由来の音楽を聴くといつも言葉に詰まってしまう。感動しているのは自覚していてもどの感情が反応しての感動なのかが説明できない。感傷と呼ぶには重みがありすぎる。物憂げではあるけれど、そこには確かな営みがあって生への力を感じさせる。じゃあ上昇志向かと言われればそういうわけでもない。英語にはエモーショナルという超絶便利な言葉があるけど、あれは大雑把すぎてオルタナティブロックと同じくらい仕事をしていない。と、ここまで書いて感情もクロスオーバーするだろうし、レッテル貼りに意味がないことに気づく。

Sly & The Family Stone / A Family Affair

THERE'S A RIOT GOIN' ON

THERE'S A RIOT GOIN' ON

ある程度時間が経って評価がさだまった作品を単体で楽しめるようになるのに時間がかかる。その作品の前後関係が邪魔をして歴史的資料を読んでいるときのような味気無い時間がまず最初にやってくる。自由に空想できる個人的なものになるのは知識が認識に変わってから。そのタイムラグがもどかしい。最初からゼロ距離で触れてノータイムで楽しみたい気持ちがある。そう思うようになってからは知識という名のネタバレを避けて、音楽のみへの思い入れが溢れてから周辺情報を入れるように変えた。思い入れが強すぎて壊されたくないときは情報を遮断し続けることもある。温室で育てた空想が恐ろしいほどの事実誤認となったりすることも含めて楽しんでいる。


Sly & The Family Stone - A Family Affair